お役立ち資料

リハサプの開発に当たって -STの業務支援とリハの質向上を目指して-



リハサプの開発にあたって  -STの業務支援とリハの質向上を目指して-


はじめまして、Ghoonuts株式会社 取締役の行田智哉です。

今回は、私たちがどのような想いでアプリ「リハサプ」の開発を行ったか、開発の背景も含めて少しお話しさせていただきます。


自己紹介


最初に簡単に私自身について紹介します。
私は現在、失語症の研究や関連事業をメインに行っていますが、実は理学療法士です。


幼いころに「1リットルの涙」を見て、治療が難しいといわれるような疾患を何とかしたいと思ったのがきっかけで、気づいたらここまできてました。


医療分野でも特に脳への関心が強く、大学卒業後に大学院に進み、脳波や運動の学習について研究しました。大学院修了後は台湾の病院で研究員として就職し、超音波やTMSといった脳を刺激する技術に関する研究を約3年間行いました。その後、帰国しGhoonutsで研究やアプリの事業を行っています。


昨今ではAIなど、新しい技術が多くでてきています。
一方で、医療において未解決な課題はまだまだ多く、素晴らしい技術も十分に活用されていないと思っています。


先端技術を現場で使えるかたちに落とし込む
こと、また、そのための研究開発をすること。
それが私の役割だと思っています。
理学療法士が主として行う運動機能に限らず、医療分野で求められているもの、ソリューションが少ないものを解決していきたいです。

 


リハサプ開発のきっかけ


昨今、手や足の麻痺、歩行といった運動機能を対象とするものについては、VRやロボット、ニューロフィードバックなど様々な製品が出現してきています。
一方で、高次脳機能障害に対する機器は比較的少なく、特に失語症に対する製品の開発は他の疾患と比較すると遅れていると感じています。

そういったこともあり、2022年頃から、失語症治療の発展を目標として、経頭蓋電気刺激法と呼ばれる、微弱な電気を頭部に流すことで脳の活動を促す研究を大学や病院と進めてきました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000089676.html


その中で、現場の言語聴覚士の先生方とお話しする機会があり、
言語課題の準備に非常に時間がかかってしまう」「限られた時間の中で適した訓練を提供できない」といった課題があることを知りました。


詳しく聞くと、千枚以上ある絵カードの中から、患者さん毎に適切なものを毎回選び出して印刷したりといった作業をするのに非常に時間がかかっているようでした。
また、既存の教材のみだと課題のバリエーションが限定するため、助詞や文節を書き出して並べ替えれるように紙の切り貼りをしたり、新聞を切り抜くといった問題の自作を行っている施設も少なくないことがわかりました。


患者さんの症状や、生活環境に適した課題を準備するのが非常に重要です。
ただ、その準備量が多いと先生方の負担が大きくなり、結果として患者さんに適したものが提供できないというリハの質の低下につながります。


また、日々の臨床業務で手一杯になってしまうと、新しい臨床知見を吸収したり、あるいはデータをまとめて学会や論文にまとめるような研究に充てる時間も無くなってしまいます。


「技術の力で、言語リハビリに関する日常業務をサポートし、医療の質の向上に貢献したい」

その思いから、リハサプの開発が始まりました。





開発にあたって


教育領域では、現在
英単語の勉強にアプリを用いるのは一般的になっています。
多くの塾でも講義や学習管理、教材の準備として紙の代わりにアプリを導入しているようです。

そのため、言語のリハビリ現場においてもアプリを活用できそうだなと思いました。ただ、いわゆる受験などの勉強と、失語症のリハビリでは、実施する内容の多様性・個別性が大きく異なると考えています。


受験勉強などでももちろん個別性は大事かと思いますが、基本的には教育カリキュラムに沿って、ある程度決まった道筋で勉強していくのかと思います。


一方で、失語は症状が多様でそれに伴う治療プロセスも豊富です。
短文を聴いて理解できるからといって、平仮名を読んで理解できるとは限らない。喚語が困難になる単語も、音韻的な要素なのか、単語のカテゴリー的な要素なのか、カタカナ語なのかといった特徴が異なるケースもあります。


開発当初は、とにかく失語症関連の教科書や論文を読みあさりました。ただ、書かれていることが実際に現場で行われているのか、どんな画面なら見やすいのか、遮断除去法のようにモダリティの変換が必要となるを手法をアプリで表現するか、色々よくわからず、非常に悩みました。


そこで私たちは多くの先生方・施設にご協力いただき、
開発当初からヒアリング→アプリの試作版を触ってもらう→意見を聴く→改良をする、というプロセスを繰り返しました


今回の製品は先生方の業務負担を軽減できること=先生方が使いやすいと思ってもらうものを作ることが目的だったので、現場の先生から声を聴いたうえで、それを取捨選択しながら分かりやすいような形におとしこむ、といったことを意識しながら開発しました。






リリースにあたり


そうして2025年春にリハサプをリリースするにいたりました。
リリースした後も多くの先生方にフィードバックをいただき半年で10回以上のアップデートを行っています。

とはいえ、恐らく現場としてもまだ分かりづらい部分や、問題数として不足しているものもあるかと思います。


僕としても、アプリだからこそ表現できるような新しい課題など、まだまだ追加したいものがあります。

医療にしても、製品にしても、明らかな間違いはあっても、なかなか正解というものが見えづらい世界だと思います。同じ質問を様々な先生にお伺いしたときに、真反対の意見をいただくこともあり、日々悩んでばかりおります。
それでも、少しでもより使いやすい製品への改良を進め、最終的には医療の質の向上というものを目指して行きたいと思っています。


また、個人的には研究をより推進できるような機器にもしたいと思い、データの整理や出力などはうまく形にしていきたいなと思います(いろんな先生方からもご要望いただいておりますが)。
なかなかそこまで手が回らず、、少し時間をかけながらのアウトプットにはなりそうですが、、


是非、実際に使用してみて忌憚の無いご意見をいただけますと幸いです。

ポジティブな意見も、よりよいリハビリテーションに向けた意見もお待ちしております。

導入事例紹介:リハサプ導入により現場の先生方が感じた変化
もりぐち清水会病院




最後に製品開発当初から様々なアドバイスをくださった先生方にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。


★ご協力いただいた施設・先生方
・藍の都脳神経外科病院 https://ainomiyako.net/
・ことばの天使 多田紀子先生 https://kotoba-tenshi.com/company/
・京都光華女子大学 大橋良浩先生 https://www.koka.ac.jp/speech/news/1697/




※掲載許可をいただいた施設および先生のみを記載しております。
 それ以外でも、多くの助言をくださった全ての皆様に感謝申し上げます。


リハサプ(言語リハビリ支援アプリ)について

リハサプは、言語リハビリの実施をサポートするアプリです。
病院・施設での運用にも活用できます。
タブレット選びとあわせて、運用の選択肢としてご覧ください。